2022年1月29日に開催された第4回多治見ビジネスプランコンテスト。
毎年様々な視点での事業が発表される。その中で多治見市の街の活性化(賑わいを生む)として最も期待の高い事業に贈られる『まちなかグランプリ』に輝いたのが、今回の多治美人ゲストさんです。
会社員でありながら、その会社の新規事業としてまったく新しい角度でのビジネスを立ち上げた理由とは?
常にチャレンジをし続ける彼女にその生い立ちからインタビューしました。
幼い頃から、ファッションや音楽など外国文化に強く興味を持つようになり、高校3年生の時、アメリカのソルトレイクシティに留学。
その後大学4年生までアメリカで学生生活を送りました。この海外での経験がきっかけとなり、今回の事業を立ち上ようと思ったきっかけにもなっています。日本に帰国後は通訳や翻訳のお仕事をしていたとの事。テレビ局での通訳の仕事もしていましたが、言葉を変換するだけの仕事に少し迷いがあったと言います。
その後、通訳の仕事の縁からテレビ番組やCMの制作会社に入社。番組制作を通して、自分は作っていく過程に楽しさを感じ、完成した時の喜びを実感できる仕事が好きであると再認識。その制作会社で一緒に働いていた上司が独立して新しく会社を立ち上げた時、彼女もそこに移動する。
厳しい仕事現場ではあったが、プロとしての仕事や心構えを教えられた職場であり、成長させてもらったと言います。
その会社を退社後、結婚、出産をします。
話は前後しますが、愛知県刈谷市で育った彼女が、現在の住まいである多治見市に移り住んだのは28歳の時。
当時草葉化学の社長であった祖父(母方の父親)に呼ばれたのがきっかけでした。
明治45年創業の草葉化学は主に窯業原料やセラミック原料、化学工業薬品などの卸売・製造、また各種原料の高温熱処理等の事業を行う、窯業を地場産業とする多治見市でかなりの老舗会社となります。
創業者は曾祖父。創業時の会社は、住み込みで働く従業員や、お手伝いさんもいて仕事も生活も一緒の大所帯だったと言います。
創業者のひ孫である彼女が、草葉化学に入社した事は地元でちょっとしたニュースにもなり新聞にも掲載されました。
創業から115年経つ会社で、何か新しい事業にもチャレンジしていかなくてはならないという機運が高まり、新規事業を立ち上げ、運営してみよと任された彼女。
学生時代から興味のあったオーガニック食品。それを取り扱う事業をしてみたいと社長に伝えたところ、「自分がこれと思うことをしてもいい。ただしちゃんとビジネスとして成功させること」チャレンジの場は与えられた。しかしそこには大きな責任も伴う。
初めの挑戦は冒頭で伝えた多治見ビジネスプランコンテストへの応募。そしてグランプリを狙う事。
4回目を迎える多治見市が主催するビジネスプランコンテストは回を追うごとに注目度が高まり、檀上でプレゼンテーションができるファイナリストは、それぞれの熱い思いを持った強豪揃い。
優勝すれば副賞として授与される支援金はもちろん、話題性としての宣伝効果が大きい。このビジネスコンテストは、自身も街の人も、そしてそこに関わる業者の方も、それぞれがWIN WINになれ、延いては街の経済を活性化させる。
そんな役目を担っていなくてはノミネートされない。
オーガニック食品に興味を持つようになったのは、海外で過ごした時代の環境や現地の友人たちの影響も大きい。
数十年前にすでに持続可能(SDGs)を意識した食生活にこだわり、化学調味料をなるべく使わない自然に近い食生活を送っていた。さらにはキッチン用品にもこだわり、日常の生活をより楽しめるように過ごしていた。
完全に無農薬やオーガニックにこだわるのではなく、できる範囲で良い食材を使い、丁寧に料理したりすることで、楽しみながら食の大切さを感じてもらえればと言います。
全国には、有機や無農薬にこだわり丁寧に野菜や果物を育てている小規模農家がたくさんあります。良いものを手間暇かけて育てているにも関わらず、その時間や労力に見合わない収入で、ギリギリのところで経営していかざるを得ない小規模農家が多いのも課題の一つです。
これから開店するショップでは、そういった農家さんのものも取り扱い、小規模農家の安定的な経営に少しでも寄与できればと考えています。
とは言え、取り扱う商品の質はもちろん、その他にもショップの雰囲気等々、工夫しなければならない点もたくさんあります。
オープン予定地は、今徐々に賑わいを見せている「オリベストリート」。現ハナタロウ商店のある町屋。
取扱商品は有機農産物、有機加工食品、生花、食器、キッチン雑貨などなど。
そしてショップの名前は『Grass & Leaves』。
素晴らしいカリグラファーに依頼して、既にロゴも制作済みとのこと。そのカリグラファーの方と東京の自分の友人が偶然にもつながっていたのには驚いたとか。不思議なもので縁のある人は繋がっているものです。
現在、開店に向けて、やる事・考える事が山積みな羽渕さんですが、
「私、日常の生活ではなるべくストレスフリーでいたいけど、仕事の面では、ある程度ストレスがあった方がいい仕事ができると思う。その課題を解決するための原動力にもなるし、全くストレスのない仕事なんてつまらない。」と言います。
高校で留学を決め、自分が望んだこととは言え慣れない土地で暮らし、そして過酷な仕事にやりがいを感じていた会社員時代、そして結婚出産、その後も自身で事業を手掛けていた事もあった彼女は常にストレスというものに向き合い、それを自分を向上させるものと変換し、ベースでは楽しむ事をしてきたのだ。
明治45年に曾祖父が創業した草葉化学。陶磁器に深くかかわってきた会社から、その先にある食というものを創業者のひ孫である彼女が手掛けようとしている。
この進化していく会社と彼女に、「日々の暮らしを愉しむ」というストーリーを展開してもらえる事を期待してならない。
トラッドは今も昔も好きですが、その時の気分で色々なジャンルを愉しみます。
気を付けているのはTPOに合わせて着るものを選ぶこと。
店主の二橋さんがトラッドファッションで有名なブルックスブラザーズや大好きなブランドのラルフローレンにいたこともあり、趣味が共通しているので話をするのが楽しい。取り揃えてある商品も懐かしいと思えるものや好みのものもたくさん。
山に囲まれているところ。古い街並みがあるところ。
オリベストリート近隣がもっと発展して、遊びに来た人が一日楽しめるようなエリアになればいいと思います。
街並みも含めて、オリベストリート、ながせ商店街、銀座商店街などが、それぞれの個性を生かして発展していき、多治見のおもしろいスポットがたくさんできるといいですね。
※撮影場所・衣装協力
CHIC...! YOUNG CLOTHING STORE 様
https://www.facebook.com/CHIC.young.clothing.store
多治見市本町1-91 木塚ビル 1F
取材・ライター・ヘアメイク |
: |
山下真美子 (POLA 紗ら) |
コーディネート |
: |
羽渕聖子・山下真美子 |
ネイルデザイン |
: | 小林八智子(ネイルサロン トレゾール ) |
カメラマン | : | 勝股聡子 |
メイキング動画 | 富田由芳(ロージーチークス ) | |
Webサイト制作 | : | 馬場研二 |